「一歩」と韻を踏む語——「一」が作る型で道週を締める
「道週」最終日は「一歩」です。前日は「回り道」でした。道という長いものから始まった1週間を、いちばん短い単位で締めくくります。
50語、促音が韻を決める
一歩(イッポ)の完全韻は50語。母音列は「i・Q・o」で、真ん中の「ッ」も1拍として数えます。促音を含む語どうしでしか韻を踏めないので、相手は自然と「〜ッ〜」という形の語に限られます。
「一」で始まる語が12語
50語のうち、12語が「一」で始まります。一挙・一個・一己・一戸・一顧・一鼓・一緒・一書・一所・一斗・一途・一兎。
一歩と同じく「イチ」が「イッ」に変わる音便です。字も意味もばらばらですが、「一+漢字一字」という作り方がそのまま韻の型になっています。今週は「〜しい」「〜に」(近道)、「オウ〜」(峠)、「〜バコ・〜カゴ」(足跡)と、語尾や語頭の型が韻を量産する例を見てきました。最終日は語頭の「一」がそれをやっています。
カタカナの「〜ット」
もう一つの塊がカタカナ語です。キット・ヒット・ビット・ピット・フィット・ミット・ニット。英語の短い語を日本語に取り込むと促音になりやすく、その結果まとめて一歩の韻に入ってきます。
漢語も少し
嫉妬・質素・尻尾・窒素。いずれも促音を含む2字熟語です。一歩とは縁もゆかりもありませんが、音は完全にそろいます。
「道」から「一歩」まで
道(419語・未知と同音)、近道(「〜しい」「〜に」の型)、峠(詣でと道化)、迷い(悟りと完全韻)、足跡(街角と韻)、回り道(今週最少の16語)、そして一歩(「一」の型)。
7日間でいちばん印象に残ったのは、道の語彙に意味で寄り添う語が、韻の中から何度も出てきたことでした。道と未知、峠と詣で、迷いと悟り、足跡と街角。狙って探した組み合わせではなく、母音列をそろえただけで出てきたものです。
当て字は5通り。威歩・異保・意捕・衣歩・威保。
Raimzで「一歩」を調べると、韻を踏む語のリストと発音がすぐ見られます。
「道週」はこれで終わりです。次週のテーマは「火」です。